タネノオト #029
梅が香の まだ床なれぬ鶯
清元・お染 1825(文政8)
皆さま、こんばんは。
タネノオト初めて外出先からの投稿を試みています。
今日は「漆と三味線」の取材のため青梅へお邪魔してきました。
青梅の名の通り、町には紅梅・白梅がチラホラと咲き始めていて、多摩川の欄干にも梅のデザイン。
梅は多くの和歌にも詠まれるように古くより親しまれる花のひとつですね。
咲き乱れるような主張が過ぎず、香りで知らせる様子が何ともしおらしいものです。
そうした様子に姿を重ねた演目より今回のタネノオトの一節です。
お染久松と言えば、大阪 油屋で実際あった心中事件を下敷きにした演目ですが、清元ではこれを江戸へ移しまして(ロケーション替えはよくある手法)若い二人の恋模様を描きます。
梅が香は女性が使っていた香料で匂袋へ入れたり髪へつける匂油のこと。
その梅の香りにまだ床なれない鶯、とは色気のある表現ですねー。
ちょうど昨日はバレンタイン。
気温もほんのり上がり春めくと、恋の季節のはじまりかな。
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