top of page

タネノオト #067

更新日:2020年11月17日

山鳥の尾の酉の市 妹がり行けば千鳥足

清元・北州 1818(文化15年・文政元年)


酉の市、行かれました?

この時期の関東の風物詩ですね。

冷たい夜風の中に漂う熱気と屋台の湯気がなんともノスタルジックで、そこへ居るだけで楽しい気持ちになります。

今回のタネノオトはまさに「酉の市」をテーマに一節。

歌詞にもズバリ出ていますが現代語訳を。

仲睦まじい山鳥。鳥といえば酉の市で芋頭売っているでしょ?
いも!好きな女の元へ通えば(妹狩り)千鳥足になっちゃうよねー

多くの方がご祝儀曲として有り難がる『北州』という演目ですが、私おかしくなっちゃうんですよね。

どうしても吉原に入り浸りデレデレしながら歌詞を書く蜀山人の姿が浮かんじゃう。


酉の市といえば今でこそ熊手がアイコンですが、熊手が登場するのは天保年間(1831〜45年)のことのようで、それまでは芋魁・芋頭(いもがしら)だったそう。

それで突如として「いもがり」が掛かってくるわけです。唐突だな笑

しかも芋頭が子沢山の象徴となれば、なんとも微笑ましく「妹狩り」に繋がります。


歌川広重が描いた酉の市は1857年。

白く雪をかぶった富士山をバックに、熊手を持ち帰る人々が吉原の格子窓から描かれています。

猫やかんざし、雀や鳥だすき紋で暗示させるの堪りませんね♡

GoGoタイムトラベルも間も無く定員になりそうですので、お申し込みはお早めに。

「名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣」より

Comments


Copyright © 2016~ 日本の記憶 All Rights Reserved.

bottom of page