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タネノオト #038

  • 2020年4月18日
  • 読了時間: 1分

時しも頃は如月

長唄・勧進帳 1840(天保11)




1200年前、地震や戦争そして各地に疫病が流行ったことで作られた大仏さま。最近もアマビエブームの一方で大仏建立アプリなるものがあり、流行り病で人々が大仏を作り始めたというのが話題になっていました。


東大寺の盧舎那仏像は、開眼から約420年後の治承4年(1180年)に焼討に遭い消失します。そして兄・頼朝に追われる義経・弁慶一行は東大寺再建のために各地で寄付金を集める山伏の姿に変装して安宅の関に向かいます。

時しも頃は如月、文治3年(1187年)2月の頃です。

「如月」について、西行の有名な和歌があります

願はくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの 望月のころ


如月は旧暦なので現在の「3月」です。和歌に、春の花の頃この世を去りたいという思いを込めた西行は(あくまで芝居のなかのことですが)弁慶たちが安宅の関に臨んだ3年後の文治6年(1190年)の如月、望月の頃に亡くなります。弁慶も西行も本懐を遂げたのでした。




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