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タネノオト #042

五月雨や傘につけたる小人形

長唄・菖蒲浴衣 1859(安政6)


端午の節句の頃、男児のいる家では外に人形を吊るすことがあったそうです。(吊るし飾りのようなもの?)それが雨に濡れてしまうので、兜を外して傘をつけたということだそうです。

スッキリとしたかっこいい前弾きと宝井其角の句ではじまるこの曲は、一説に「広告長唄」と言われています。今でいうCMソングのようなもの。その後の歌詞を読み進めると浴衣の宣伝が続きます。 もう一つ、この曲で有名なのは「仲直りソング」であること。 芳村伊十郎が五世伊三郎の襲名を控えた頃、勝三郎との仲がこじれていました。心配した正次郎が勝三郎に合作をもちかけ襲名披露で伊三郎に唄ってもらうことで仲直りをさせたのでした。後半「縺れを結ぶ盃の」とさり気なく仲直りをアピールし「酒の泉の芳村と栄ふる家こそ目出度けれ」で家の繁栄を願って終わります。




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