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タネノオト #046

庭の砂は金銀の 玉を連ねて敷妙の 五百重の錦や瑠璃の扉(とぼそ)

長唄・鶴亀 1851(嘉永4)


謡曲「鶴亀」から歌詞を取っています。

解説書の言葉をそのまま借りると、


「巧みな気分転換」

・文句も節も品が良く

・旋律は美しい

・音楽が無理なく自然

・それでいて深い味がある

・飽きも来ない


と吉川英史先生は褒めまくっています。

私は、この曲で「荘重」という言葉を知りました。後半の「楽」を聴けば、行ったことのない宮殿も眼に浮かびます。「雅楽風」「謡曲風」「問答」と変化に富む中で個人的に「すごいゴージャスなとこ」と言っているのが今回の歌詞の箇所です。


お庭には金銀の玉が、宮殿には錦が幾重にも敷き詰められている、瑠璃でつくられた扉、(つづき)橋は瑪瑙で出来ていて、橋桁は蝦蛄貝の飾りあり。


って超豪華!それを特別なことではないような顔をしてササっと唄い進めるのがポイントです。適当な写真がないので、瑠璃の写真を貼っておきます。これで作られる扉って・・・





そして、ゴージャスといえば、「長唄交響曲鶴亀」(1934)です。


山田耕筰さんが、長唄交響曲を3曲(吾妻八景・越後獅子・鶴亀)つくり残っているのは鶴亀だけです。長唄東音会創立50周年の記念の会などで演奏させて頂いたことがあります。

オーケストラ×長唄・三味線・囃子、普段は居ない指揮者がいるものの、だからといってオーケストラに合せるでもなくこちらは淡々と。壮大な交響曲、そこには現実ではあり得ない「瑠璃の扉」を音楽の中に見ることが出来るのかもしれません。


是非、聴いてみてください。いろいろ衝撃です。


外部リンク

https://www.youtube.com/watch?v=V3RrLhjOTxU





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