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タネノオト #050

更新日:2020年7月30日

四海波風静けき君が 御代はかしこき天照神の影

長唄・翁千歳三番叟 1856(安政3)




タネノオトが50回目を迎えましたー  8888888888888888



タネノオトを始めたとき、50回も続くと思っていませんでしたし、今の世の中がこんなになっているのも思いもよらないことでした。舞台での演奏がない今も何かをつくり、発信を続けなければなりません。隔週でも投稿を続けることが出来たのは読んでくださる方のおかげです。ありがとうございます。


記念すべき50回目は「翁千歳三番叟」です。

「翁千歳三番叟」は三番叟ものの中でも最高級の最難関。絶滅した外記節の復活記念曲と言われていますが、前半の唄は実質「河東節」と捉えてもよいそうです。「翁」はすごく偉くて重みがある・・とついつい難しく考えてしまいがちなのですが、少しは派手さを意識してもよいのかなぁと思うようになりました。なにしろ唄も三味線も難しく、只今暗譜に四苦八苦。今回の歌詞のところは30分を過ぎた最後のほうで、このあたりまでくるとやっとほっとできます。


歌詞は

四海波風静けき君が 御代はかしこき天照神の影も曇らず怨敵退散 

五穀成就民豊か 八百万代も国や栄えん


で締めくくります。(※「タネノオト」は歌詞のしりとりなので51回目を迎えるためには

「ン」で終わるわけにはいきませン!)


天照大神が守った国は天下泰平で悪魔や悪いものがいなくなり、民は富み五穀が豊かに実っていつまでもいつまでも国が栄える


「翁」「千歳」は天下泰平、「三番叟」が五穀豊穣を祈るかたちで神の権化最強トリオと考えられました。お能からきているので歌舞伎舞踊化すると堅苦しくなってしまう「翁」と「千歳」、それに対して「三番叟」はユーモラスで庶民ウケもよいということで沢山の「〇〇三番叟」というのがつくられました。

古い三番叟ほど原曲から離れようとした傾向にあり(例ː雛鶴三番叟は、種蒔三番叟)その中で「翁千歳三番叟」は一番最後に作られたのに元の能に一番近いかたちになりました。この現象は「道成寺」や「石橋」でも同じだそうで、、

斬新なこととか色々やってみたけれど最後は元のカタチにこだわった結果、相当なものができました。という何かの教えのようです。


四季三葉草ではじまった「タネノオト」が節目を迎え、新たな道へ進めるように、そしてこれからも栄え続くことができますよう。今後共宜しくお願い申し上げます。











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