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タネノオト #062

更新日:2020年11月17日

心に花の春 月の秋風〔月は秋かも〕ほととぎす

長唄・秋色種 1845(弘化2)


「秋色種」あきのいろくさと言えば歌舞伎の伴奏とは離れた演奏用(お座敷)長唄として知られています。また「虫の合方」はチンチロリンという虫の声をそのまま音楽にしていて

春夏秋冬を題材にした企画モノでは秋の定番です。


うつし心に花の春 月は秋かもほととぎす 雪に消えせぬ楽しみは 尽きせじ尽きぬ千代八千代

人の心はうつろいやすく春は花、秋は月、夏は不如帰、冬は雪、永遠に楽しみが尽きない・・


長唄の曲はたくさんあるので一生あっても足りません。。私自身、計算すると既に残りの人生では時間が足りないと思われ、、自分の能力では少なく見積もってもあと三生は要ります。


自分がそうであるように、お弟子さんにも1曲でも多く長唄と出会ってほしいと考えています。ただ常に新しい曲に挑戦し続けるというのは年齢的に難しい場合もあります。ある方は長唄の代表曲をその季節に浚います、新年は「鶴亀」春は「花見踊」神田祭の頃は「神田祭」そして秋は「秋色種」冬は「鷺娘」という具合です。まさしく「春は花、秋は月・・・」を実践しているのでした。


「最後まで弾けるようになるころにはちょうど紅葉の頃ですね」なんて言ったりして・・・

「わたし風流だは・・」と自分に酔ったりしています。






(秋の写真です。先日「富士研修センター」で山椒と山栗を拾ってきました。)

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