タネノオト #064
- 河野文
- 2020年10月23日
- 読了時間: 2分
更新日:2020年10月30日
紋日物日のかけ言葉
長唄・俄獅子 1834(天保5)
紋日(もんぴ)は「スペシャルな日」 のことで、物日(ものび)が変化して紋日となりました。
江戸時代の遊郭で、紋日は遊女のノルマが大変でお客さんはいつもより代金をはずむという、『お客様大謝恩ホリデーセール』のようなことだったらしいです。
謝恩といいながら、売る方は休日なのに赤字覚悟で働いて、買う方もセールの賑やかさと特別感にのせられていつもより出費をしてしまう。いつの世もいったい誰が得をしているのかと・・
一説には、季節が変わるタイミングのその日のために衣装を新調したり、それをお客さんがプレゼントしたり、プレゼントがない場合は自腹で用意したり、それが年中あるものだから遊女は苦労したようです。現代でも通称「夜の街」の接客業ではイベントごと(お誕生日とかクリスマスとか)がとても大事と聞きます。
そもそも物日は、行事がある特別な晴れの日のこと。この日は紋付の晴れ着を着ることが多かったことからそう言われたそうです。松の内に始まり、ほぼ毎月、月によっては複数日。節句、お祭りなどのイベントと合わせて決められていました。また紋日は仮装をすることもありました。「俄獅子」は遊郭の学園祭的イベントの出し物です。
なお戦後も銀行業界では月末の繁忙日を、鉄道業界ではかつては休日ダイヤのことを「物日」と言ったそうです。あれから200年、ハロウィンでは渋谷の交差点で仮装した若者が騒ぎます。よって、、ハロウィンは紋日ということになります。
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