タネノオト#001
- 清元 延美雪

- 2019年8月3日
- 読了時間: 1分
更新日:2019年9月13日
タネノオト #001
とうとうたらり たらりら たらりあがり
清元・四季三葉草1838(天保9)
日本の記憶、新シリーズとして始まりました「タネノオト」。
第1回はタネノオトの「種」にちなみ、『四季三葉草』をご紹介します。
演目系統のひとつである「三番叟物」は、元々能狂言の源流である猿楽で演じられていた祝福芸で、能では『式三番』『式三番叟』と呼ばれています。
約1ヶ月前に大阪で開催されたG20。覚えていらっしゃいますか?
夕食会で野村萬斎さんが披露されていたのが、まさに「三番叟」でした。
「三番叟物」は明確なあらすじを特に持たず天下泰平を祝福する舞踊ですが、清元節ではこの『式三番叟』をモジって『四季三葉草』とし、四季の草花を読み込んだ御祝儀曲として伝わっています。
その曲の冒頭が今回の
「とうとうたらり たらりら たらりあがり」
能から引用された歌詞で、意味のない言葉のため現代語訳はなかなか困難ですね~。
呪文のような言葉は一説に笛や鼓の音を模した囃子詞とも、梵語による祝詞とも、古代言語とも言われ未だ解明されていません。
でもさ、伝達手段の役割を持たない言葉でも音読してみると音として面白いことってあるじゃないですか。ぜひ声に出して滋味を感じ味わってみてください。
とうとうたらり~ たらりら~ たらり~あがりっ!!気分は魔術師?
参考文献「日本音楽大事典」「清元全集」





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