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タネノオト#003

  • 2019年8月17日
  • 読了時間: 2分

タネノオト #003

すぐにも上がりお目見えを またこそ願う種蒔や

清元・種蒔三番叟1812(文化9)


皆さま、こんにちは。

前回の『供奴』私も音読してみましたが、まさか外来語が歌詞になっているとは!

同じ三味線音楽に携わっていても音曲ごとに専門が違うので、このシリーズは清元専業の私が長唄を知るいい機会でもあります。


さて長唄の「す」で繋がりました今回は、長唄とも縁深く清元にとっても重要な演目『種蒔三番叟』の一節です。

1回目よりシリーズで読んで下さっている読者の方は「ん…三番叟?」と思われたかな。

清元の「三番叟物」は2演目あり、ひとつは#001でご紹介した『四季三葉草』もう一つが今回の『種蒔三番叟』です。


この『種蒔三番叟』は清元最古の演目で、初演は長唄と清元の掛合(かけあい)というスタイルで演奏されました。掛合は一曲を複数の音曲によって交互に演奏し共有する方法で、今でも掛合で演奏したり、各々独立して演奏したりしています。

興味深いのは長唄で演奏される時に題名が変わるんですね!『舌出三番叟』と。

こちらの呼び方の方が耳馴染みのある方も多いことでしょう。


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今回引用した歌詞は曲の最後の部分で、訳すと「名残惜しいけどまた直ぐ帰ってきて種蒔やりたいし、皆の幸せ願ってるね!」と言ったところ。

初演時、三代目中村歌右衛門が大阪へ帰ってしまう御名残興行として作られた演目なので、こうした締め括りになっているのでした。


皆さまもお盆休みから帰路へ着くころでしょうか?8月後半戦も残暑にめげず参りましょう。


参考文献「日本音楽大事典」「清元全集」

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