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タネノオト #005

  • 2019年8月31日
  • 読了時間: 2分

タネノオト#005

彼奴が噂をしているか

清元・流星1859(安政6)


皆さま、8月も今日でおしまいですね。

今年の夏はいかがお過ごしになられましたか?

さてタネノオト#005誰が噂をされているか、と申しますと。


流れ星君です☆

あれ、ちょっと待て…流れ星は男性名詞でいいのかな?

名詞に定冠詞を持たない日本語だと設定が不明瞭だし、無闇に性別を示すのはダイバーシティーの現代において問題視されそうなので考察してみます。


今回ご紹介する通称『流星』と言われる演目は、初演当時『夜這星』と何とも艶めかしい名称でした。

夜這いは「呼ばう」が連用形になった言葉で「男が求婚し女の許に通う」意味なので、古語としては男性名詞でしょう。

そして「きゃつ」は男性が用いる言葉。

という二点から男性の設定にします。


現代語訳すると「おいおい、誰がオレの噂してんだよ~照」くらいの軽い感じです。

(この件、前回の『靭猿』呼掛け方ハラスメントと一緒に考えると深堀りできそうな予感)


さて、七夕の宵の流星君。

天上界で見た雷ファミリーの喧嘩話を、牽牛織女へ報告しに行くところ。

とは言うものの牽牛織女はお互いに夢中なので、流星の噂をしている暇はなく、むしろ「年に一度しか逢えないから流星マジ邪魔しに来ないで!」なのですが、その辺り空気読めない流星なのでお構いなし。ズカズカ飛んでいっちゃうの…やめてあげて(泣)


じゃ何故、流星が噂されていると思ったか?これはまたの機会にご紹介しましょう。

今年の東京での七夕は生憎の雨模様でしたが、夜這星も流星も七夕も実は秋の季語なんですね。

旧暦の7月7日(2019年8月7日)は見事に晴れたの覚えていらっしゃいます?

そう旧暦で言えば今日だってまだ8月2日!秋が迫ると急に寂しさを感じますが、まだまだアクティブに参りましょう♪


参考文献「日本音楽大事典」「清元全集」

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