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タネノオト #007

  • 2019年9月14日
  • 読了時間: 2分

タネノオト #007

目白押し 店清掻のてんてつとん さっさ押せ押せ

清元・吉原雀1842(文政7)


すっかり秋の空気を感じるようになった三連休、皆さまいかがお過ごしですか。

今回は#006長唄『助六』の「廓」の夜の雨に連想して『吉原雀』から一節をご紹介。

この演目そもそも長唄で作られた曲を原案に、56年の後に清元でも作られました。

同じ歌詞の部分、違う部分を持ち今でもそれぞれ人気の演目です。


さて廓がロケーションの演目は数多くありますがセリフなどで「~ありんす」と言ったら、廓詞(くるわことば)を使う吉原の遊女!と役柄と所属が判ってしまうんですね。

そして遊女目当てに廓へ通うお客もまた欠かせない登場人物で、色々な客層には冷やかし賑やかしに来ているだけの客(素見 すけん)もいました。

そういう連中を皮肉って雀と呼んだのが『吉原雀』です。なんてウィットに富んだ擬人化なのだ。


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歌詞には雀以外にも多くの小鳥が読み込まれ、そのひとつが今回の部分。

「冷やかしの客が目白みたいに押し合い格子の前へたくさん並んでるわ。さぁ、清掻(すががき)を弾いて開店よ!ほら前へ進んだ進んだ!」と言ったところでしょうか。遊女、たくましい。


いくつか現代で馴染みない言葉があるので付けたり。

吉原では各店の通り添いに格子をはめた部屋を設け、遊女たちがズラーっと並び客を待って開店準備をするのですが、そこで弾かれるのが清掻(すががき)という手の三味線。

「てんてつとん」は口三味線の唱歌。

実際の雀や目白は可愛らしいですが、雀や目白のような客にはならないよう気を付けたいものです笑


参考文献「日本音楽大事典」「清元全集」

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