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タネノオト #019

  • 2019年12月7日
  • 読了時間: 2分

タネノオト #019

解けぬ思いを浦里が

清元・明烏1851(嘉永4)


本日「大雪」

朝吐く息も白くなり、今日は所により雪予報も!そんな今回のタネノオトは雪の場面が印象的な『明烏』よりご紹介です。


『明烏』と言えば新内節が有名で清元節もこれを基に作られ、上「浦里部屋の段」下「雪責めの段」で演奏されます。

参考 豊原国周「浄瑠璃 明烏雪浦里」

右上に清元の文字が確認できますね

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今日の一節は上の段の冒頭、遊女 浦里が恋する時次郎と思うようにならないことを部屋で憂いでいるシーン。

〽︎白雪の積もる恋に〜と始まり〽︎解けぬ思い〜と繋がるのですが「雪・思い」に解くが掛かっている訳です。嗚呼、なんて耽美な表現だ(掛詞大好き)

「さっき降った白い雪のように(時次郎への)思いは積もるけれど、それにくらべて私の思いは解けなく心配事が絶えないわ。はぁ…」

と言ったところ。浦里の乙女心カワイイ。

時次郎は忍び込んだ浦里の部屋にて膝枕などされているのでしょう。

先日、雪見障子のあるお宅へお邪魔したのですが、部屋から眺める雪って贅沢な風景ですね。


ところで演劇の筋を見ていると思うのですが、どうしてハードルがあるほど恋って燃え上がってしまうのでしょう?そして押し並べて冷静さを欠いた無謀な計画を立てがちよね。

なぜ悲恋はテーマになりやすいのか?などいずれ心中考察などしてみたいものです。


今日は雪にちなんだ演目をご紹介でした。

寒さも本番になります、皆さまご自愛くださいませ。

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