タネノオト #063
- 清元 延美雪
- 2020年10月17日
- 読了時間: 2分
タネノオト #063
隅田河原の波風も
清元・隅田川 1883(明治16)
10月も半ば、いかがお過ごしですか。
4本だてGoToキャンペーンのうちの一つGoToトラベルに東京も加わり、前よりも出掛ける気持ちが軽くなったような気がします。
皆さんはどこかへお出掛けされましたか?
三味線音楽では今もなお残る地名をテーマにした演目が数多くあります。
今回のタネノオトは、地名がそのままタイトルになっちゃった!という『隅田川』より一節です。
この演目は能『角田川』を下敷きにした作品で、清元以外にも同じテーマを扱った作品群を「隅田川もの」などと系統立てて呼んだりします。
隅田川ものは梅若伝説に取材しており、今も川ほとりにある木母寺さんに塚が残っていることで知られます。
今回の歌詞は難易度低めですが、現代語訳するならば
隅田川の河原に吹く風と、波立つ川面の水も…
と言ったところ。
匂わせる風と波が何なのか?その先が気になりますね。
隅田川を実際に歩いてみると体感するのが歌詞の通り「風」と「波」。
場所によって川幅も水の流れも、風の強さ、そして匂いも多面的な表情を見せる隅田川です。
見える景色にイマジネーションを加えると歌詞やあらすじが立体的になると思いますが、現存する景色ならよりリアリティを感じられる気がします。
GoToキャンペーンでのお出掛け。
東京都の都内観光促進事業“もっと楽しもう!TokyoTokyo”も始まるとか。
遠出の旅情感も素敵なものですが、近間でも新しい東京の一面を発見できるかもしれません。

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