タネノオト#069
- 清元 延美雪
- 2020年11月28日
- 読了時間: 2分
更新日:2020年12月2日
などこの隅田川にては 都鳥とは告げずして 沖の鴎と夕潮に
清元・隅田川 1883(明治16)
本年度、初事業として取り組んでいるワークショップGoGoタイムトラベル。
前半の「吉原・清搔コース」に続いて4日より、後半の「隅田川・佃コース」が始まります。ちなみまして、タネノオトも『隅田川』より一節。
どうして、ここ隅田川で業平の和歌になぞらえて
「都鳥」と言ってはくれないの
「沖の鴎」というだなんて
主人公の女が隅田川で見かける白い鳥の名を聞いたところ
「あれは千鳥とかカモメとかいう鳥だよ」と答えた舟人への返答の部分。
伊勢物語 九段は東下りより、在原業平の詠んだ
名にし負わばいざ言問わん都鳥
わが思う人はありやなしやと
に掛けて答えて欲しいと、女は京(みやこ)から来た自分と重ねているわけです。
夕方満ちる潮は女の涙でしょうか。
切なさ倍増。ぴえんであります。
舟人、正解は「あれは都鳥だよ」だから。そこは空気読もうな。
隅田川の物語についてはタネノオト#063をご覧になってください。
ここ数ヶ月、GoGoのコース取りやロケハンで幾度も川沿いを歩きました。
佃島から柳橋を通り、今戸を越えて吉原まで。
時には埋め立て前は海上であった所も歩いた気がします。
ビル群の建物から昔を想像できることは限られるものの、自然現象や動植物からイメージが喚起されることは大いにあると令和の空を飛ぶ都鳥を見て思います。
12/4,5,6の隅田川コースも、お時間によって若干のお席がご用意可能です。
国の「GoToキャンペーン」も東京都の「もっと楽しもう!tokyotokyo」も船頭役が迷走中でありますが、自分で感じて自分で考え行動(表現)する。
そうした事を大切にし、皆さまとワークショップを作れたらと思います。

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